友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

まるで、首を締められたかのような感覚に陥る。


そこで、何度も深呼吸を繰り返して、なんとか心を落ち着かせた。


「…だから、逃げてきちゃった。どうしたらいいのかわからなくて…」


まだ、手首のアザだけですんでよかったのかもしれない。

あれ以上あの場にいたら、なにをされていたかわからない。


「突然きて、一之瀬くんにも迷惑かけちゃったよね。…ほんと、ごめ――」


そう言いかけたとき、わたしは強い力に引っ張られた。


「謝んな」


真正面にいたはずの一之瀬くん。

なのに、なぜかわたしの耳元で一之瀬くんの声が響く。


――それもそのはず。


気づいたらわたしは、一之瀬くんの腕の中にいたのだった。


「い…一之瀬くん…!?」


一之瀬くんの真後ろにある姿見の中には、抱きしめられて困惑するわたしの顔が映っている。