友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

「…向坂。言いたくなかったら無理には聞かねぇけど、そのアザって…」


眉を下げ、心配そうな表情でわたしを見つめる一之瀬くん。

そんな一之瀬くんに対し、わたしはゆっくりとうなずいた。


「…うん。昨日…彼氏にね」


痛いくらいに腕を強く握られたけど、まさかこんなアザがつくほどとは思っていなかった。


昨日のことはおそろしくて、思い出したら体が震えるくらい。

早く忘れたいのに、目に届くところにアザがあっては、嫌でも思い返してしまう。


「…『別れたい』って言ったの。そしたら、手がつけられないくらい怒り出してっ……」


万里くんの狂気的な顔。

浴びせられた暴言。

腕が折られるかと思うくらいの力。


それらすべてがフラッシュバックして、わたしは喉が詰まって、一瞬声が出せなくなった。