友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

間違いじゃなかった。


一之瀬くんに助けを求めてよかった。

そう思えたのだ。



「そういえば、やけに今日は静かだね」


ここは、総長である一之瀬くんの部屋だけど、ONEのアジトの中でもある。

黒いカーテンの向こう側から、メンバーの声が聞こえたっておかしくないはずなんだけど…。


「今日は、だれもここに出入りしないように命令したから」

「…どうして?」

「だって、こんな弱った向坂…。だれにも見られたくねぇし、俺が見せたくもねぇ」


…一之瀬くん。

わたしのためを思って、そんなことまで――。


すると、バスローブの袖から、両手首にまだらに広がった紫色のアザが見えた。


…このアザ。

昨日、万里くんに押さえつけられたときにできたものだ。


アザに目を移すわたしの視線に、一之瀬くんも気づいたようだ。