友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

そして、中心部分がハサミで粉々に砕かれたスマホは、そこを境にパキッと音を立てて折れてしまった。


「…ハァ、…ハァ。だから、『捨てろ』って言っただろ?」


真っ二つになったスマホをゴミ箱へ放り投げる、万里くん。


片方は、ゴミ箱の中へ。

もう片方は、外れてゴミ箱の外へ落ちた。



「…慈美。さっきオレに、なんて言った?どいつがお前の彼氏だって?そんな証拠、どこにもねぇじゃねぇかっ」


自分でスマホを再起不能になるまで壊したにも関わらず、この言い草。


わたしと一之瀬くんの過去の関係を証明するものは、…あの写真だけ。


それが存在する可能性を恐れて、万里くんは前にスマホを捨てるように言ったんだ。

なのに、まだわたしが持っていたと知って、しかもその中の写真まで見てしまったものだから――。