友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

「オレの前に、こんなヤツのツラ見せつけんじゃねぇ!!」


万里くんは怒りだすと、テーブルに置いていたわたしのボロボロのスマホを取りあげた。


「万里くん、なにするの…!?」


わたしが止めるのも聞かずに、万里くんは棚に置いてあった鉛筆立てから、ささっていたハサミを引き抜く。


そして、その切っ先をスマホの画面に向けた。


「…やめて!!」


と叫んだけど、時すでに遅し。


一之瀬くんと写っている写真の画面には、何度もハサミの先端が突き刺さる。


しばらくの間は明るかった画面だったが、しまいには力尽きたように暗くなってしまった。


そうなっても、万里くんはなおも何度もハサミを突き刺し、えぐるように引き抜く。


呆然と立ち尽くすわたしの目の前で、万里くんはハサミを投げ捨て、スマホの端と端を握ると力づくでスマホを捻じ曲げた。