友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

そう言うと、万里くんはわたしの部屋から出ていった。


…ちゃんと万里くんに気持ちを打ち明けたのに。

まったくわかってもらえなかった…。



「……ッ…!」


痛みが走り、わたしは思わず顔をゆがめる。


話し合いのあとに残ったのは、打たれた頬の痛みと腫れだけだった。


そのときに、いっしょに口の端も切れたようだ。

わずかだけど、血が流れていた。


「確か、絆創膏がどこかに…」


わたしは、棚の中を探した。

すると、思っていたよりもすぐに絆創膏の入った小箱が見つかった。


その小箱を手にしたとき、同じ引き出しの中に入っていたスマホに指先が触れた。


これは、わたしが事故のときまで持っていた…ボロボロのスマホだ。

万里くんは捨てるように言っていたけど、記憶喪失の手がかりになるかもと思って、ずっとこうして置いていた。