〈…慈美?どうしたんだよ〉

〈ちょっと話したいことがあるんだけど…。今、どこにいる…?〉


万里くんは、だれかといっしょにいるのだろうか…。

電話の向こう側から、何人かの話し声や笑い声が聞こえていた。


〈話したいこと?それじゃあ、オレが慈美の部屋へ行くから〉

〈…わかった。待ってるね〉


そうして、万里くんとの電話を切った。


しんと静まり返った部屋で、万里くんがくるのを待つ。


万里くんは、どういった気持ちでここへきてくれるのだろうか。


まだ、わたしに対して怒ってる…?

それとも、仲直りしようと考えてくれている…?


どちらにしても、わたしは万里くんにつらい話を打ち明けなければならなかった。