わたしたちは、『友達同士』。

それに、一之瀬くんには由奈がいる。


こんなキス…、いけないはずなのに。


抵抗するわたしの手をつかまえ、指を絡め、床に押し付ける。


そして、尚も甘いキスを続けられたら――。

頭がクラクラしてきて、どうにかなってしまいそう…。



ようやく、暗闇に目が慣れてきた。

目の前には、余裕のない表情でわたしを見下ろす一之瀬くんがいた。


「いやなら…、全力で抵抗して」


そう言って、わたしの頬や首筋、はだけた鎖骨にキスを落とす。


そのどれも気持ちよくて、わたしは身をよじって抵抗する『フリ』をすることしかできなかった。


「一之瀬くん…、どうしてこんなことっ…」

「…俺にもわからない。でも、向坂と偶然唇が重なったとき…。なんだか懐かしいような気がした」