友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

「多少、手荒で乱暴なところはある。…そこは、総長の俺が謝罪する。でも、悪いヤツらじゃないから許してほしい」

「うんっ。わたしは大丈夫だよ」


わたしが一之瀬くんと知り合いだと知って、わたしたちを連れ去った男の人たちが謝りにきてくれた。


「総長の知り合いだとわかっていれば、手厚くもてなしたのに申し訳ない」と。

あまりにも必死に謝るものだから、なんだかおかしくて。


それに、わたしはただのおまけ。

わたしよりも、あのときこわい思いをしたのは由奈のほうだったかもしれない。


「由奈!この人たちもこう言ってくれてることだし、そろそろここから――」


と由奈に声をかけてみたけど、…反応がない。


「向坂。外まで案内するから」

「…あ、うん。でも、由奈がっ…」


由奈は、ぼうっと一之瀬くんを見つめているだけ。