友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

一之瀬くんが『ユナ』を探すように指示したのではなく、うなされる一之瀬くんを見かねて、慶さんやONEのメンバーが総長のために『ユナ』を探し始めたんだと。


だけど、総長である一之瀬くんに必要ないと言われてしまっては、それに従うしかできないのだ。



一之瀬くんはゆっくりと歩き出すと、わたしのところまでやってきた。


「まさか、こうして向坂に会うことになるとはな」

「そ…そうだね」


一之瀬くんは一之瀬くんなんだけど、制服ではない黒のシャツを羽織っているせいか、いつにも増して大人っぽく見えてしまう。


本当に、あの一之瀬くんかと二度見してしまうほど。


「…悪かった、向坂。俺の仲間が、面倒に巻き込んで」

「ううん…、わたしはいいの」


でも、真っ先にわたしに謝りにきてくれるところが、いつもの優しい一之瀬くんだ。