…一之瀬くんの言うとおり、もしわたしがその『ユナ』だったら、きっと自ら一之瀬くんに会いに行くはずだ。
おそらく『ユナ』は、記憶を失くした一之瀬くんとは、この間連絡が取れていないのだから。
だったらやっぱり、『ユナ』は一之瀬くんの記憶の中だけの――幻の存在?
「とにかく、もういいんだよ。早く2人を解放しろ」
食い下がる慶さんに対して、一之瀬くんはまるで切り捨てるように言い放つ。
その迷いのない言葉に、慶さんは折れるしかなかった。
「は…はい」
でも、きっと慶さんは納得していない。
一之瀬くんのために、『ユナ』を探し出したいはずだ。
『…そんなわけありません!じゃなきゃ、総長が夜な夜な『ユナ』の名前を呼んで、うなされるわけが――』
あの必死な慶さんの姿を見たら、よくわかる。
おそらく『ユナ』は、記憶を失くした一之瀬くんとは、この間連絡が取れていないのだから。
だったらやっぱり、『ユナ』は一之瀬くんの記憶の中だけの――幻の存在?
「とにかく、もういいんだよ。早く2人を解放しろ」
食い下がる慶さんに対して、一之瀬くんはまるで切り捨てるように言い放つ。
その迷いのない言葉に、慶さんは折れるしかなかった。
「は…はい」
でも、きっと慶さんは納得していない。
一之瀬くんのために、『ユナ』を探し出したいはずだ。
『…そんなわけありません!じゃなきゃ、総長が夜な夜な『ユナ』の名前を呼んで、うなされるわけが――』
あの必死な慶さんの姿を見たら、よくわかる。



