友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

…一之瀬くんの言うとおり、もしわたしがその『ユナ』だったら、きっと自ら一之瀬くんに会いに行くはずだ。

おそらく『ユナ』は、記憶を失くした一之瀬くんとは、この間連絡が取れていないのだから。


だったらやっぱり、『ユナ』は一之瀬くんの記憶の中だけの――幻の存在?



「とにかく、もういいんだよ。早く2人を解放しろ」


食い下がる慶さんに対して、一之瀬くんはまるで切り捨てるように言い放つ。

その迷いのない言葉に、慶さんは折れるしかなかった。


「は…はい」


でも、きっと慶さんは納得していない。

一之瀬くんのために、『ユナ』を探し出したいはずだ。


『…そんなわけありません!じゃなきゃ、総長が夜な夜な『ユナ』の名前を呼んで、うなされるわけが――』


あの必死な慶さんの姿を見たら、よくわかる。