「付き合ってくれなんて言わない。だけど…少しは俺のこと頼りにしてほしい。俺が絶対に千紘を助けるから」


言葉通り、千隼くんは私を助けてくれた。


きっとこれからもそうなんだろう。


「ありがとう、千隼くん」


なんて優しい人なんだろう。


こんな人に出逢えた私はきっと幸せ者だ。


「千隼くん。私…頑張るね。忘れられるように頑張るから…」


ずっと分かってたんだ。


いい加減忘れなきゃいけない、前に進まなきゃいけないって。


でも…朝陽くんの幻影を追わずにはいられなくて。


朝陽くんと会いたくて。


もうとっくに朝陽くんの歳を越しているというのに、私の中にはずっと大人で温かい朝陽くんがいて。


彼が生きていてもきっと叶わない恋だっただろう。


なのに追わずにはいられなくて。


「俺…ずっと待ってるから」


忘れなきゃいけないね。


きっと…今がそのときなんだ。


そうだよね…?朝陽くん…