しかし後続は三振が3つ続き、あっけなくチェンジ。


藤川さんがマウンドに上がる。


キャッチャーは翔吾。


マスクの下に金色の髪がチラチラと見えている。


端から見ればただのヤンキーだろう。


それでもキャッチングの上手さは別格だ。


3年生のキャッチャーが部活に来なくなったのも翔吾にスタメンを奪われそうになったのが原因だとか。


藤川さんは高校球児らしい坊主頭の真面目で硬派な先輩。


対照的な2人だけど、バッテリーの相性の良さを感じる。


藤川さんかサインに頷き、球を放る。


真っ直ぐに翔吾のミットに収まり、パァァン!という快音が響く。


「ストライク!」


藤川さんは感覚を確かめるようにうんうんと頷きを見せる。