準決勝とはうって変わって、決勝戦は投手戦の様相を呈している。


鶴海のエースに三者凡退に抑えられると、負けじと千隼くんも三者凡退に抑える。


ただ淡々とアウトが積み重なっていく。


灼熱の中、一球一球に力を込めて投げる千隼くんの首筋には滝のように汗が流れている。


今日は猛暑日。


真上から太陽が選手を焼きつける。


連日の試合で疲れているなかでの酷暑。


投げても投げても点が入らない試合展開で、ピッチャーは本当に苦しい試合だと思う。


北野が出したランナーは翔吾のヒットのみで、わずか1安打に抑えられている。


「千隼。大丈夫か?」


8回表の攻撃を終えたところで翔吾が千隼くんと話しているのが耳に入った。