ドカッと椅子に座り、足を組む華。


「二度と俺らに関わるな。千紘にも、翔吾にも、野球部にも。金輪際関わるな」


「あんたがあたしに命令できる立場？あたしのパパを殺人者にしといて？笑わせないでよ」


悪びれた様子もなく鼻で笑い飛ばす華に、翔吾のこめかみがピクピク引き攣っている。


「あんたのせいでパパは捕まった！人殺しになった！あんたが悪いのよ！あたしはあんたを苦しめないと気が済まない。甲子園？友情？仲間？青春？恋人？笑わせないでよ。人殺し」


最後の一言で、千隼くんが大きく動揺したのが分かった。


小さく震えているその指先を、そっと包み込む。


「千隼くんは人殺しなんかじゃない」


「へぇ〜？あんたこの男のこと庇うんだ？」


ニヤニヤしながら挑発するように私を見上げてくる。


嫌がらせを受けていた時のことが蘇り、一瞬怯んでしまったけど、千隼くんがギュッと手を握り返してくれた。