私…どうしたらいいの…?


野球部、辞めたくないよ…っ。


千隼くんと一緒に夢を叶えたい…っ。


わかんないよ…っ。


「辞める気ねぇんだ?バッカだなー。痛い思いしなくて済むはずだったのによぉ」 


「いや……っ」


赤坂くんの手がジャージのチャックにかかり、ジャージは簡単に脱がされてしまった。


半袖1枚の練習着。


それにも手がかかったとき、終わりを悟った。


その時だった。


「何やってんだてめぇ!!」


怒号とともに千隼くんが飛び込んできたんだ。


「汚い手で千紘に触んじゃねぇ!」


千隼くんは赤坂くんに掴みかかり、私から引き剥がしてくれた。


「千紘!大丈夫か!?」


早く逃げなきゃ。


早く、立ち上がって、出口へ行かなきゃ…。


そう分かっているのに、腰が抜けて立ち上がれないんだ。