「大丈夫……なわけないわな」


翔吾も一緒にその場に座り込んでくれる。


その優しさが胸に染み、なぜだか涙腺が刺激されてしまう。


「明日監督に報告して、赤坂のことは処分してもらおう。俺から話そうか?」


監督に報告…。


「…ダメだよ」


それはダメだ。


混乱していた頭がスッと冴えてくる。


「なんでだよ」


「…部員が女子マネを襲ったんだよ。世間にバレたらどうなるの?」


「んなこと言ってる場合かよ」


…出場停止になるかもしれない。


それに、きちんと調査されたら、赤坂くんたちの素行の悪さは明らかになる。


未成年飲酒喫煙も加味したら、出場資格剥奪だろう。


「言えないよ。私の都合でチームを壊すことはできない」


「…何言ってんだよ…。そんなことよりお前の気持ちだろ?チームのことなんか今は忘れろよ」