マウンドで胸を張って輝く千隼くんが大好きだから。


夢に向かってガムシャラな千隼くんが、本当に好きだった。


「今年の夏負けて、絶対に甲子園に行くって誓ったじゃん…っ。あんなに悔しい思いしたのに、どうして簡単にその思いを捨てれるの…!?」


ロッカールームで泣きながらぶつかりあっていたあの時間は何…?


合宿で厳しい練習を乗り越えてきたあの時間は何…?


「なんのための努力よ…っ。皆の想いも知らないで千隼くんのバカっ!!千隼くんがいないと私たちは勝てないんだよ…っ!!それくらい千隼くんは大切な仲間なんだよ…っ??」


この1週間、主将も副主将も抜きで練習してきた。


皆不安そうだった。


それでも、夢を諦めきれず頑張ってる。


それなのに何…?


「一回負けただけでどうして逃げるの…?」


千隼くんと一緒に甲子園に行きたい。


その夢はもう叶わないの…?


そんなの嫌だ。


絶対に嫌だよ…っ。


「………俺には甲子園を目指す資格なんてねーんだよ」