私の視線に気づいたのか、華はニヤリと口角を上げて神社の階段をのぼっていった。


…何考えてるんだろう…。


本気で頑張っている部員の邪魔だけはしないでほしいな…。


モヤモヤを抱えながら部員の帰りを待つ。


「千紘ー、今日神社で催しやってっから、階段使っていいか許可貰ってこいって監督が」


外周5周もして来たのに、息を荒くすることなく平然と翔吾が話しかけてくる。


「わかった。行ってくる」


「あ、待って。俺も行く」


なぜか翔吾がついてきたから、長い階段を二人で上ることに。


「皆こんなところ走ってるんだね。すごいね」


1段1段が高いし、ゴールが見えない。


歩くだけで大変だ。


「体力がなきゃ大会で勝ち抜けねーからな」


翔吾は平然と一段飛ばしでサクサク上っていく。