「千隼くんなら何をお願いする？」


手を伸ばせば届きそうなくらい大きな星を見つめながら尋ねる。


「…俺は……。甲子園出場…かな」


チラっと千隼くんを見ると、同じように星空を見上げていた。


その横顔はとても綺麗だった。


でも…だからこそ…、少し触れるだけで消えてしまいそうな儚さがあったんだ。


「…意外だね。甲子園は願うんじゃなくて自分の手で掴むって思ってるのかと思ってた」


そう言うと、千隼くんは驚いたように私を見た。


「…俺、そんな自信家に見えてる？」


「うん。いつも自信満々で強気なイメージがあるかな」


「ふーん…。じゃあ、逆に千紘は？何願うの？」


私かぁ…。


考えてなかったなぁ…。


でも…やっぱり…。


朝陽くんともう一度会いたいな…。


１度だけでいい。


それだけでいいから、会いたい。