書きたくない。


ツーアウトから連続四球で満塁だなんて、記したくない。  


こんなの千隼くんじゃない…っ。


「お願い…千隼くん…っ」


頑張って…。


立て直して…っ。


今度は翔吾だけじゃなく、内野手全員がマウンドに集まる。


千隼くん…。


いったい何があったの…?


どうしてこんなに急に崩れちゃったの…?


怪我でもしたの…?


でも…もしそうなら翔吾がベンチに合図を送ってくるだろう。


怪我じゃないならどうして…?


「頑張れーーっ!!!」


千隼くん…信じていい…?


大丈夫だよね……?


野手は守備位置に戻り、翔吾は千隼くんの背中をグラブで叩いてマウンドを去る。


流れは鶴海。