雨降る日のキセキ

夏菜…かわいいなぁ…。


付き合うつもりがないと聞いた瞬間、嬉しそうに頬を緩めるんだもん。


両想いっていいなぁ…。


この二人を見ていると羨ましく感じる。


二人とも素直じゃないから、なかなか進展しなくてもどかしいけど…それでも、近くにいる人を好きになれることがどんなに素敵なことか。


遠い遠い空の向こう行ってしまった人をいつまでも忘れられないなんて…もうこんな思いしたくない…。


「俺の恋愛には口出すくせに、自分のこととなるとさっぱりだなお前」


「うるせーよっ」


笑顔で翔吾いじる千隼くん。


この夏、準々決勝までずっと一人で投げて、たくましさが増した。


顔つきも変わったし、よりカッコよくなった。


どうして彼を好きになれないんだろう。


好きになれたらいいのに…。


私を笑顔にしてくれるのは朝陽くんじゃない。


千隼くんなのにな…。


カラッと晴れ渡っている空とは逆に、私の心は曇ったままだった。