吉岡先生は私の頭をポンポンと叩いた。

「先生も応援するよ! 自分の気持ち、その人に伝えられると良いね」

「ありがとうございます。でも、私、全然自信なくて・・・・・・失敗するのがとても怖いんです」

「怖いよね! 先生も分かるよ。でもね、伝えたい時に伝えなかったら、きっと後で後悔すると思うよ」

「・・・・・・後悔・・・・・・」

「うん、先生も昔学生時代に伝えられなくて後悔したことがあったんだ。その子はもう結婚しちゃったから、あの時伝えてたらって・・・・・・たまに思う」

「そうだったんですね!」

先生は今まで話したことのない、自分の過去のことを話してくれた。

「失敗しても良いじゃん。その気持ちは押さえることないよ! 恋を頑張る時東さん凄く可愛いよ。だから自信もって」

「えへへ・・・・・・」

・・・・・・私、先生に可愛いって言われちゃった。

「ありがとうございます。私、諦めないで伝えてみます」

「よし、じゃぁ先生で練習してみなよ。今二人だけだし」

「えっ・・・・・・」

「あ、冗談! ごめん・・・・・・」

「あの、練習やってみます!」

ドキドキしながら、深呼吸をする。

「・・・・・・ええっと・・・・・・」

吉岡先生は突然そんなことになってソワソワしだす・・・・・・ まさか自分が冗談で言ったことが本当になると思ってなかったから。

「私、吉岡先生が好きです。吉岡先生の優しいところも・・・・・・あの、恋愛経験ゼロの私ですが、良かったら付き合って下さい」

先生は私の告白を聞いた後ポカンとしている。

「お、おう」

練習相手という設定なのに、照れているところが可愛い! 普段見ることの無い先生だった。