──明日は卒業式──

私、時東知沙(ときとうさち)は明日三年間通った思い出いっぱいの高校を卒業します。

「沙知ちゃん、とうとうあと一か月後には卒業だね」

「う、ん」

「あれれ、なんか目に涙が・・・・・・そうか、そうか、卒業したら別々の大学行くから、私と会えなくなるのが寂しいのね」

「ち、違うよ!」

「じゃぁ、何よ? 知沙ちゃんなんかやり残してることでもあるの?」

「・・・・・・うん」

そう、私にはやり残していることがある。