未完成の心。



── 涙羽side ──

眠った双子の姉、涙唯を見る。



フードは被ってて誰かも分からない。
もちろん私もね。


ぼーっとしてると、男4人が近付いてきた。



それを軽く睨む感じに見る。



「なぁ、お前らなんでフード被ってんだ?」



4人の内ひとりが問いかけてきた。



「光が嫌いだから。」

「あーっ!君たち、さっきの子!?」



叫んだ男の子の方を見る。そいつはさっき理事長室まで案内してくれた子だった。


「さっきぶりです。」


私はそれだけ言うと外に目を向けた。


「光が嫌いとは、、なんだ?」


案内してくれた男の子は察してくれたのに君は察せないんだ。
いちばんリーダーっぽいのに。



「そのまんまの意味よ。深入りしないでちょうだい。」



私は突き放すように言った。



「そこまで来ると気になるじゃんか〜!」



チャラ男がそう言った。



すると、涙唯がムクリと起き上がった。



「うるさいなぁ。人がせっかく寝てんのによ。」
「君たちが異質な格好してるからですよ。」



いちばん大人しそうな黒髪が言った。



「こっちにはこっちの事情があるのよ。君たち、黒狼だわよね?関東1は飾りだけなのかしら。涙羽、行くわよ。」



私は涙唯と一緒に屋上へ向かった。