ふと、冷たい風が頬を差す。 マフラーにうずめていた顔を少し出して、息を吐いた。 すぅーっと私の口から出ていく、白い空気。 「早く来ないかなぁ」 その呟きは、白い息と共に、雪の降る都会(まち)の中に消えていった。