「行ってきます」 翌日、玄関先で声をかけ、リビングから聞こえる慌ただしい足音を無視して家を出る ──はぁ… 「おはよう、希穂ちゃん」 家の前にあいつ ひらひらと手を振るそいつを無視し、歩き出す 「………」 「一緒に行こうと思って待ってた」 が、ついてきて隣に並んでくる そして、聞いてもないことに対して答えてきた この男は読めない