「了解しました!少佐!」

黄金の鳥内に、声がした。

「フッ」

パイロットは、不敵に笑った。



「ヤバいぜ!絶対!」

基地の煙を見つめるコウの周りで、友達はあたふたと回り続けていた。

基地のそばにある町の方も、異変に気付いたのか、騒がしくなっていた。

「何が、日本は安全だ!戦争に勝っただ!こんな簡単に、攻撃されやがって!」

頭を抱える友達の上を、巨大な影が通り過ぎた。

「え」

突然、足元が暗くなった為、上を見た友達は絶句した。

「フィギュア」

二機のフィギュアが、町の向こうからフェンスの向こうまで、飛び越えたのである。

「どうして、フィギュアが…町の向こうから?」

コウは振り返り、町の方を見た。



「もし、ここで、オリジナルフィギュアを奪われたとしても、仕方がない。ここを選んだお前達が悪いのさ」

黄金の鳥は、狭い格納庫の中を縦横無尽に走り回る。

「そんな動きが!」

河村の放つ攻撃は、まったく当たらなかった。

「フッ。本当ならば、破壊したフィギュアのコアを回収したのだが…時間がない」

パイロットの頭に、地球儀が浮かび、南極から猛スピードで上がってくる点をとらえていた。

「フェーン少佐!」

「基地に入りました」

部下達の報告が、来た。

「ご苦労。ここからは、慎重に行え。レディには、傷一つつけるなよ」

「わかっております」

フェーンの命令に頷くと、通信は切れた。





「コウ!どこに逃げようか!」

腕にすがり付こうてした友人の手を振り払うと、コウは走り出した。

二機の機体が上を通ったために、ひしゃげたフェンスを乗り越えると、コウは爆音が響く格納庫の方へ走り出した。

「コウ!」

友人も追おうとしたが、フィギュアが襲撃する方にいくなと言うように、足が動いてはくれなかった。

「コウ!」

ただ虚しく、名前を呼んだ。