2人で話したのはその時だけで、次の日からも挨拶をしたり何度か話すことはあっても、あの日ほど話すことはなかった。 だから私はその時の約束なんてただの思いつきで、もうとっくに忘れてると思ってた。 そう思って、あの思い出は自分の中に大事にしまっておいたのだ。 それが今日突然引っ張り出された。 廊下を駆け足で去っていく瀬戸くんを見つめて、私も教室へ戻った。 その日は放課後のことばかり考えていて授業どころではなかった。