立ち止まりそうになったその時、 「桃花!」 大好きな声で、私の名前が呼ばれた。 「待ってて!」 瀬戸くんは目に涙を溜めて、でも私の大好きなきらきらとした笑顔でそう言った。 私の目からも涙が溢れる。 「待ってる!」 私もめいいっぱいの笑顔で返す。 「「またね!」」 お互い反対方向に歩き出す。 それぞれの道に歩き出す。 もう振り返らない。 頭の中に流れる大好きなピアノの旋律に合わせて、私は階段を駆け上がった。