私は音楽室を飛び出した。
息を切らしながら瀬戸くんを追いかける。
このままじゃ後悔する。
「瀬戸くん!」
自分でもびっくりするほどの大きな声に、階段を降りていた瀬戸くんはもっと驚いて目を丸くしてこちらを振り返った。
「どうしたの?」
私は大きく息を吸う。
「好き。私、瀬戸くんのことが好き。」
精一杯の思いを瀬戸くんに伝える。
「え?」
瀬戸くんは目を見開いた。
「卒業式で指揮者できて、嬉しかった。約束、覚えててくれて嬉しかった。ピアノも沢山聴かせてくれて嬉しかった。毎日の練習も、質問も全部うれしかった…!瀬戸くんのこと応援したいから自分の気持ちを抑えようって思ってたけど、でも、自分の気持ちに嘘ついて後悔したくない。」
わたしは震える声で必死に伝える。
瀬戸くんはびっくりしたような顔をした後、悲しそうな顔をした。
「…ありがとう。思ってもなかったからすごいうれしい…。でも、俺、アメリカ行くし、」
「最後の質問」
私は瀬戸くんの言葉を遮ってそう言った。
「答えてくれる?」
瀬戸くんは私を見つめたまま静かに頷いた。
「私は瀬戸くんのことが好きです。瀬戸くんは私のことどう思ってる?好きじゃないならきっぱり諦めるよ!だから振るならはっきり振って欲しいの。」
瀬戸くんは戸惑ったような表情をした後、小さく息を吸った。
「俺も、いや、俺の方が好きだよ。入学式のあの日から。一ノ瀬さんは俺の初恋の人だから。」
瀬戸くんは切ない表情でそう言った。
私は目から涙が溢れた。
「俺もさっき音楽室で言おうと思ってたんだ。でも俺、これからそばにいられないし、一ノ瀬さんには幸せになって欲しいから、だから、」
「待ってる。」
瀬戸くんは顔を上げて私を見た。
「私いつまででも待ってるよ。だから約束しよう。」
私はは階段を駆け降りて瀬戸くんの前に立つ。
小指を差し出した。
「また、絶対に会おう。」
私がまっすぐ瀬戸くんの目を見つめる。
瀬戸くんも小指を私に差し出した。
「ありがとう。約束絶対に忘れない。」
そう言って2人で強く指切りを交わした。
それを切り裂くようにチャイムが鳴り響く。
「じゃあ、行くね。」
瀬戸くんが指を離す。
「うん。引き止めてごめん。」
私も手を下ろした。
「じゃあ。」
そう言ってお互い反対方向に歩き出す。
悲しくてたまらない。
涙で目の前がぼやける。
息を切らしながら瀬戸くんを追いかける。
このままじゃ後悔する。
「瀬戸くん!」
自分でもびっくりするほどの大きな声に、階段を降りていた瀬戸くんはもっと驚いて目を丸くしてこちらを振り返った。
「どうしたの?」
私は大きく息を吸う。
「好き。私、瀬戸くんのことが好き。」
精一杯の思いを瀬戸くんに伝える。
「え?」
瀬戸くんは目を見開いた。
「卒業式で指揮者できて、嬉しかった。約束、覚えててくれて嬉しかった。ピアノも沢山聴かせてくれて嬉しかった。毎日の練習も、質問も全部うれしかった…!瀬戸くんのこと応援したいから自分の気持ちを抑えようって思ってたけど、でも、自分の気持ちに嘘ついて後悔したくない。」
わたしは震える声で必死に伝える。
瀬戸くんはびっくりしたような顔をした後、悲しそうな顔をした。
「…ありがとう。思ってもなかったからすごいうれしい…。でも、俺、アメリカ行くし、」
「最後の質問」
私は瀬戸くんの言葉を遮ってそう言った。
「答えてくれる?」
瀬戸くんは私を見つめたまま静かに頷いた。
「私は瀬戸くんのことが好きです。瀬戸くんは私のことどう思ってる?好きじゃないならきっぱり諦めるよ!だから振るならはっきり振って欲しいの。」
瀬戸くんは戸惑ったような表情をした後、小さく息を吸った。
「俺も、いや、俺の方が好きだよ。入学式のあの日から。一ノ瀬さんは俺の初恋の人だから。」
瀬戸くんは切ない表情でそう言った。
私は目から涙が溢れた。
「俺もさっき音楽室で言おうと思ってたんだ。でも俺、これからそばにいられないし、一ノ瀬さんには幸せになって欲しいから、だから、」
「待ってる。」
瀬戸くんは顔を上げて私を見た。
「私いつまででも待ってるよ。だから約束しよう。」
私はは階段を駆け降りて瀬戸くんの前に立つ。
小指を差し出した。
「また、絶対に会おう。」
私がまっすぐ瀬戸くんの目を見つめる。
瀬戸くんも小指を私に差し出した。
「ありがとう。約束絶対に忘れない。」
そう言って2人で強く指切りを交わした。
それを切り裂くようにチャイムが鳴り響く。
「じゃあ、行くね。」
瀬戸くんが指を離す。
「うん。引き止めてごめん。」
私も手を下ろした。
「じゃあ。」
そう言ってお互い反対方向に歩き出す。
悲しくてたまらない。
涙で目の前がぼやける。
