あっという間に月日は流れて、あと1週間で卒業式となった。
「やっほー」
私はいつも通り音楽室に入る。
「やっほー」
瀬戸くんは先に来てピアノの前に座っていた。
「そろそろ質問もネタがきれそうだよ」
瀬戸くんは笑いながらそう言ってピアノから私に体の向きを変えた。
「だよね、でもあと1週間だよ。早いね。」
「そうだね」
そう言って2人で音楽室の外を見た。まだ桜の木は蕾ばかりだ。
「桜、卒業式までに咲くかな?」
瀬戸くんが蕾を見てつぶやいた。
私も蕾を見て答える。
「咲くといいね、、、まって、それ質問?」
「違うよ、雑談!」
瀬戸くんはそう言って笑った。
「一ノ瀬さんの高校生活での思い出は?これが質問。」
そう言うと瀬戸くんは椅子に座り直した。
「えーたくさんあるな、選びきれない。」
そう言って私も瀬戸くんの前の椅子に座った。
