【番外編】 



 それから一年半後の、三月ーーー。



「清宮」

「時雨先生……」

 今日私は、無事に高校を卒業した。

「卒業おめでとう、清宮」

「ありがとうございます、時雨先生」

 大好きな時雨先生とも、今日でお別れかと思うと、とても寂しい。
 
「今日までよく頑張ったな、清宮」

「はい」

 時雨先生は相変わらずカッコイイ。大好きな時雨先生……。

 二年の時、県大会は三回戦敗退で悔しい思いをした。だけどそれから猛烈にみんなで頑張って、三年の時の県大会は、準優勝した。
 決勝までいったけど、結局全国大会常連の高校に負けてしまい、全国大会には行けなかった。

 でもそれでも私にとっては、本当にいい思い出だった。時雨先生に会えたことも、バレーボールに情熱を捧げたことも。
 何もかもが全部、いい思い出だった。

 時雨先生を意識すると鼓動が早くなって、うまく顔を見れなくなったりもしたし、爽香にも時雨先生に恋をしているとバレてしまい、色々と問い詰められたりもした。
 でもそれだって全部、いい思い出なんだ。

「……時雨先生、あの時の答え、聞かせてくれませんか」

 あの時した、あの告白の返事を聞きたい。時雨先生の、気持ちをーーー。