ちょっと待て、僕今こいつの友達になったのか?


 …やられた。僕は1人で平凡に静かに学校生活を送るつもりだったのに。こんな問題児と一緒なんて、平凡に生きれるわけがない。


 なんかこいつのペースに乗せられてる気がする。


 でも、言ったものは仕方がない。


「君、今日の放課後さ、学校案内してよ」


「学校案内?…僕じゃなくてもいいだろ」


「え、君は下僕でしょ?拒否権ないよ。友達って言うのはタテマエだよ」


 なんか、僕が何言ってもダメな気がする。


「…わかったよ、案内すればいいんでしょ」


「じゃあ、お願いね」


 と、木下さんは僕に笑顔を見せた。


 たぶん、こいつは黙っていれば可愛いんだろうな。…性格ヤバいけど。


 こうして僕と彼女の普通のようで普通じゃない毎日が始まった。