あれ、どうしたんだろう。木下さん、今まですぐに答えてたのに。…まぁいいか。 


「それでさ、君を私の下僕に任命するね」


「…は?」


 急に何を言い出すんだ、この人は。というか、下僕って言葉を現実で使う人初めて見たぞ。


「え、下僕知らないの?男の召使いのことだよ」


 いや、知ってるけど。知らなくて、は?って言ったわけじゃない。


「木下さんがそんな言葉を使うのに驚いたんだよ」


「あぁそっちね。ここじゃ下僕ってあんま使わないの?」


「使わないよ。…というか、なんで下僕なの。友達とかじゃなくて?」


 いや、下僕なんて使う人と友達なんてのも嫌だけどさ。


「何言ってんの。この地球の人間は私たち宇宙人に作られたんだから、私は神様みたいなものなの。神様と人間なんだから、友達というより下僕でしょ」


「え、僕たちって宇宙人に作られたの?」


「うん」


 そんなこと初めて聞いた。でも、下僕は嫌だ。


「でも地球では下僕って言葉あんま使わないからさ、友達にしておいて欲しい」


「…しょうがないな、じゃあ友達でいいよ」