遠い星に住む君と

 夜、僕は自分の部屋から夜空を見上げた。


 空には幾千もの星が煌めいていた。


 木下さんのいるサンダーソニア星も、今僕が見上げている星々の中にあるのだろう。



 初めて木下さんの病院に行った帰り、僕はサンダーソニアについて、もう一度調べた。


 その時、サンダーソニアの花言葉には、「望郷」「祈り」「愛嬌」以外の悲しい意味もあることを知った。


 それは、



『私を助けて』



 だった。


 もしかしたら木下さんは、僕に助けを求めていたのかもしれない。


 もしそうならば、僕は木下さんの助けになれていたのだろうか。


 そう聞かれても、僕は決して首を縦に大きく振ることはできないだろう。


 でも、木下さんの最期に、僕の気持ちは伝えたつもりだ。