遠い星に住む君と

「え、なんで。今ちゃんと掴んでたじゃん」


「…ゲーセンは、こういうものなんだよ」


 これ、獲れるのかな?っていうものもたくさんある。


「なにそれ、なんか悔しい。君、頑張ってそれに勝ってよ」


「…なんでそんな人任せなんだよ。木下さんもやればいいじゃん」


「…いや、いい」


 …なんでだろう。ここに来たいって言ったのは木下さんなのに。


「私もお金出すからさ、私の分まで頑張ってよ。それなら文句ないでしょ?」


「まぁ、それなら…」


 いや、お金の話じゃないんだけど。まぁいいか。


 それから僕は、自分のお小遣いと木下さんのを使い、巨大ぬいぐるみを獲るために奮闘した。


 そしていくら使ったかわからなくなった、その時。