海であなたが救ってくれました

「じゃあ、うち来る? ひとり暮らしだから狭いし普通の部屋だけど……」


 言ってしまってから、今のは私が誘っていると勘違いされる可能性があることに気がついた。
 あわてて彼がどう捉えたのか確認しようと顔色をうかがったが、口を半開きにしたままフリーズしている。


「琉花さん、それは天然?」

「あの、ごめんなさい。ゆっくりしてもらいたいなって思っただけなの!」

「そっか。でも、今度は“なにもしない宣言”はできない」


 私が目をパチパチさせながらキョトンとすれば、彼は「なるべく抑える努力はする」とほくそ笑んだ。


 私があの日、海で彼に救われたのはきっと運命だった。

 この幸せな出会いをくれた神様に感謝したい。




――― Fin.