「あのぅ……すみません」
実際に来てみてわかったが、ここは差し入れをするために立ち寄るような場所ではなかった。
日本の海を守っている機関なのだから。
「霧矢 由稀人さんにこれを渡したいのですが……」
建物に入ろうとしたところで、ちょうど出て来た若い男性に声をかけて尋ねてみる。
由稀人くんの部屋で見た写真と同じ制服を着た人だ。
「霧矢? 今たぶん外にいますよ。すぐ戻ってくると思いますけど」
「そうですか……」
私が残念そうに眉尻を下げたのを見て、男性が困ったように愛想笑いの笑みを浮かべた。
「呼んできましょうか?」
「いえ! お仕事の邪魔をしてはいけないので。すみませんが、霧矢さんにこれを渡していただいてもいいですか?」
お弁当の入ったペーパーバッグを男性に向けて勢いよく差し出す。
「私は三宅といいます。失礼ですがあなたのお名前をうかがえますか?」
「渡川 琉花です。先日お世話になったと伝えていただければわかると思います」
実際に来てみてわかったが、ここは差し入れをするために立ち寄るような場所ではなかった。
日本の海を守っている機関なのだから。
「霧矢 由稀人さんにこれを渡したいのですが……」
建物に入ろうとしたところで、ちょうど出て来た若い男性に声をかけて尋ねてみる。
由稀人くんの部屋で見た写真と同じ制服を着た人だ。
「霧矢? 今たぶん外にいますよ。すぐ戻ってくると思いますけど」
「そうですか……」
私が残念そうに眉尻を下げたのを見て、男性が困ったように愛想笑いの笑みを浮かべた。
「呼んできましょうか?」
「いえ! お仕事の邪魔をしてはいけないので。すみませんが、霧矢さんにこれを渡していただいてもいいですか?」
お弁当の入ったペーパーバッグを男性に向けて勢いよく差し出す。
「私は三宅といいます。失礼ですがあなたのお名前をうかがえますか?」
「渡川 琉花です。先日お世話になったと伝えていただければわかると思います」



