「四年付き合ってた恋人と昨日別れたの。想像どおりだよね。……社内恋愛だった。別れた理由は彼にほかに好きな人ができたからなんだけど。その相手が……今年の新入社員の子だって」
丈治から別れ話をされたときは、青天の霹靂だった。
交際期間が長いため、倦怠期っぽい感じは多少あったものの、うまくいっていると私は信じていた。
「そろそろ結婚かなぁ、なんて意識してたのは私だけだった。バカみたい。四年も付き合ったのに、ついこのあいだ入社してきた子にあっさり乗りかえられちゃった」
新人の教育係だった丈治は、あっという間にその子と恋愛関係に発展したようだ。
若くてかわいい子に鼻の下を伸ばしたことが、とても気持ち悪く感じて。それもあって私は未練を残さずに済んでいる。
精神的ショックは残っているものの、丈治とは結婚しなくてよかったと思う。遅かれ早かれどうせ浮気されていただろう。
「そいつ、アホだな。琉花さん……すごく綺麗なのに」
由稀人くんは気をつかって慰めてくれたけれど、丈治は新しい彼女と付き合いたくて私を捨てたのだ。
「綺麗だなんてお世辞でもうれしい」
「お世辞じゃないよ」
「私の両親ね、仲のいい夫婦じゃなかったの。だから反面教師で幸せな家庭に憧れが強いんだ。……私、結婚願望強かったし重い女だったのかも」
丈治は私が結婚したがっていたことに気づいていたと思う。
今思えば、それがプレッシャーになって、私に対して愛情がなくなっていったのかもしれない。
結局のところ彼は私を本気で愛してはいなかった。
丈治から別れ話をされたときは、青天の霹靂だった。
交際期間が長いため、倦怠期っぽい感じは多少あったものの、うまくいっていると私は信じていた。
「そろそろ結婚かなぁ、なんて意識してたのは私だけだった。バカみたい。四年も付き合ったのに、ついこのあいだ入社してきた子にあっさり乗りかえられちゃった」
新人の教育係だった丈治は、あっという間にその子と恋愛関係に発展したようだ。
若くてかわいい子に鼻の下を伸ばしたことが、とても気持ち悪く感じて。それもあって私は未練を残さずに済んでいる。
精神的ショックは残っているものの、丈治とは結婚しなくてよかったと思う。遅かれ早かれどうせ浮気されていただろう。
「そいつ、アホだな。琉花さん……すごく綺麗なのに」
由稀人くんは気をつかって慰めてくれたけれど、丈治は新しい彼女と付き合いたくて私を捨てたのだ。
「綺麗だなんてお世辞でもうれしい」
「お世辞じゃないよ」
「私の両親ね、仲のいい夫婦じゃなかったの。だから反面教師で幸せな家庭に憧れが強いんだ。……私、結婚願望強かったし重い女だったのかも」
丈治は私が結婚したがっていたことに気づいていたと思う。
今思えば、それがプレッシャーになって、私に対して愛情がなくなっていったのかもしれない。
結局のところ彼は私を本気で愛してはいなかった。



