闇と月



あれ、頭ぐるぐるする。

皆んなこっち見たままでなんか面白い。

『キャハハハハ、みんな面白い顔してる〜キャハハハハ。』

「おい、柚華俺の一気飲みって大丈夫か?」

『らいじょーぶ。』

あ〜楽し。

朱音さんと悟くんは私を娘のようなものだと言ってくれた。

家族だと。

お家にはいる時、

"お邪魔します"

じゃなくて、

"ただいま"

でいいと言ってくれた。

心が暖かくなる。

今まで冷えきって風が吹いていた心の風が止んだ気がした。

これが家族ってやつなのかな?

私は普通の家族を知らない。

普通の親を知らない。

仁の家は極道だから普通じゃないかもしれないけど、ここは温かい。

私、1人じゃないことに馴れちゃってきたよ。

これが良い事なのか悪い事なのまだ今の私には分からない。

でも、今日はとっても温かくて楽しくて居心地がいい。

「柚華?」

仁の優しい声が私の頭の上から聞こえてくる。

そんな声出さないで。

大事にされてるって勘違いしそうにるよ。

『じん、家族って温かいんだね。柚香も温かい皆に返せるかな?』

私は上を向き仁の顔を見ながら問いかけた。

「あぁ。もう貰ってる。」

『ほんとに?ずっとこのまま温かいが続けば良いのにね。離れたくないな。』

ずっと、永遠、というものは存在しない。

そんなこととっくに分かりきっているけど少しだけ願ってしまう。

『もう少し、このままここにいたい。』

仁の腕の中に、

仁の香りの中に、

月虹という温かい環境に、

家族という温もりの中に…

「おやすみ、柚華。」

仁の声が耳元で聞こえた。