それってなんだか残酷な気がする。
だって仲間がいるからこそ、居場所があるからこそ独りになった時寂しいって感じるってことでしょ?
仲間が最初からいなければ、居場所がある事を知らなければ寂しいを知る必要はないってことでしょ?
でも、残酷だけどなんだかどこか温かい。
寂しいを知っているから仲間を作る。
寂しいを知っているからこそ居場所を与えたり、作ったりすることができる。
なんだか嫌じゃない気がしてきた…
私は寂しいを受け入れられる…
不思議と仁の言葉は、そう思わせてくれた。
心の中に仁の言葉がスっと入ってきた。
そうか、寂しいは悪くない。
そう思うと何故だか仁の事がすごく大切に思えた。
「柚華、今から俺の家来ねぇか?」
『でも、明日退院じゃ…』
「今日はお前を1人にしたくねぇ。辻峯さんに許可貰う。」
ガラガラ
ちょうどいい所にゆうが入ってきた。
ゆうと仁が話している。
だが、なんだか遠くに声が聞こえる。
「辻峯さんに許可貰った。柚華眠いのか?」
ゆう、許可してくれたんだ…
なんだか瞼が思い。
最近仁といるとこんな事ばっかりだ。
『仁、来てくれてありがと。柚華嬉しかった。』
私には居場所がある事を知った。
1人じゃない事を知った。
仁といると心が温かくなる事を知った。
きっと私はこれからまだ色々な事を知っていく。
私は弱いからその度に怖くなる。
でも、きっと大丈夫。
だって隣には仁がいるから…
そんな予感がした。