コンコンコン

『はーい。どうぞ。』

誰だろう?

仁もベッドの横にある椅子から立ち上がった。

入ってきたのはゆうだった。

「お疲れ様です。」

仁はそう言い頭を軽く下げた。

「仁君、今日はそろそろ面会時間終わるからまた明日おいで。」

「わかりました。また明日来る、柚華。」

『時間があったらで大丈夫だよ。』

「あぁ、ゆっくり休めよ。」

「うん、」

またな、と言葉を残し仁は帰っていった。

「仁君変わったね。あんな優しそうな表情初めて見たよ。」

『そうなの?』

変わったのかな?

私には変わったと分かるほど昔の仁は知らない。

出会ってからまだ2ヶ月くらいだしね…

そう考えると本当に最近の仁の事しか知らないのだと感じた。

「そうそう柚華ちゃん、これからまた軽い検査あるから、移動できる?」

『うん、大丈夫。』