七歳になるまでは、屋敷内を自由に遊びまわっているのが当たり前の環境だった。
だからママが屋敷からいなくなった翌日。私は裏庭で見慣れない人影を発見し、外へ出た。
「だれ?」
私より何歳か年上の少年が気まずそうに立ち尽くしていた。少年は少し背が高く、ブラウンの髪が無造作に伸ばされていて、平民よりも粗末な身なりをしていた。
少年は私に見つかったことで、おろおろと目を泳がせた。
「ごめん」と呟き、「そこから入ったんだ」と言って、いくらか荒れた生垣を指さした。
定期的に庭師のおじさんが生垣を整えてくれているはずだが、どうやら数日前から誰かに切られていたらしく、人が通れるだけの穴が空いていた。
まるで秘密の通路みたいだ。
私は慎重に生垣を観察し、いったい誰の仕業だろうと考えた。
そのときは分からなかったが、ママが出て行ったことを後から知らされ、生垣を傷つけたのはママだったのだろうと見当をつけた。
当時、ママが家を出て行く姿を誰も見ていない。正門から出たのなら、大人の門番に目撃されていたはずだが、その様子もなく、裏庭に面した生垣に穴が空いていた。
だからママが屋敷からいなくなった翌日。私は裏庭で見慣れない人影を発見し、外へ出た。
「だれ?」
私より何歳か年上の少年が気まずそうに立ち尽くしていた。少年は少し背が高く、ブラウンの髪が無造作に伸ばされていて、平民よりも粗末な身なりをしていた。
少年は私に見つかったことで、おろおろと目を泳がせた。
「ごめん」と呟き、「そこから入ったんだ」と言って、いくらか荒れた生垣を指さした。
定期的に庭師のおじさんが生垣を整えてくれているはずだが、どうやら数日前から誰かに切られていたらしく、人が通れるだけの穴が空いていた。
まるで秘密の通路みたいだ。
私は慎重に生垣を観察し、いったい誰の仕業だろうと考えた。
そのときは分からなかったが、ママが出て行ったことを後から知らされ、生垣を傷つけたのはママだったのだろうと見当をつけた。
当時、ママが家を出て行く姿を誰も見ていない。正門から出たのなら、大人の門番に目撃されていたはずだが、その様子もなく、裏庭に面した生垣に穴が空いていた。



