39回目の3月9日

3月10日。

「…………」

朝、スマホに表示された日付を見て、私はしばらく固まった。

「……終わった?」

なんの説明もなく始まったタイムリープは、やはりなんの説明もなく終わった。

いや普通さ、神様とかその使いとか、あるいは別のナニカとか来るもんじゃないの?
投げっぱなしかよ。勘弁してくれよ。
39回のタイムリープで味わった苦労は何だったんだよ。
小説のネタにでもしないと元が取れないよ。


「小説なんて書いたことないけどさ……」


喜びよりも不満が勝る私だった。

なおもスマホ片手にぶつぶつと文句を言っていたら、短い着信音が鳴った。

メッセージの差出人は、もちろんアイツ。


『卒業証書、校庭に置いてきちゃった!!!
ハル、取りに行くの付き合って!』


「ははっ」


馬鹿じゃないの、と私は笑った。