美沙希が来た日から、数日後



冬休みに入ったようで、何故か朝から玲央が家に来ていた



「宿題なんて自分家でやればいいじゃん」



テーブルに頬杖をつき黙々と問題を解いていく玲央を眺めながら、ホットコーヒーを口に運ぶ




「別にいいだろ。家に居ても やる気が出ねーんだわ」



それに ずっと気になってたんだけど…何で、家出してきたような大荷物があるんだろう……



彼の隣に置かれている大きなボストンバッグに視線を向けてると、私が問う前に玲央が答えた



「んだよ、コレか?着替えだよ着替え。俺、暫くここにいるから」



「え!?」



思わず手からコーヒーカップが滑り落ちそうになった




「何で、着替えなんか…。まさか…泊まるつもりなの?」



問題集から視線を外し、茶色がかった瞳が私を捉えると口角を上げた



「ん〜、そうだなぁ…お前が寂しくないように?」



「何で玲央が疑問形で言うのよ」



クククッと喉を鳴らしながら笑い、結局 質問の答えは貰えず話しをはぐらかされた



1ヶ月くらいだったけど、皆で過ごしていたから一人になって確かに寂しかった



正直 玲央が泊まりに来てくれて嬉しい……なんて、恥ずかしいから口にはしないけれど