剣城くんは押し強い


後ろから呼び止める彼の声を無視して、近くにある公園へとたどり着いた。


膝に手をついて、息を整える。

汗はとんでもないくらい滲み出ているのに、体は冷たい。

喉の奥がぎゅっと詰まったのがわかり、嘔吐を催しそうになるのを何とか堪える。


気持ち悪い。
苦しい。
吐きそう。


口元を両手で覆いながら公園の中を歩いていると、

「盾石!!」

剣城くんの切羽詰まった声がした。


「…っ、やっぱり、体調悪そうな顔してんじゃん。何で言わないんだよ…!」

「…ご、ごめっ、つるぎく……わたっ……は、はき、そう……」

「…えっ、"吐く"?どっか気持ち悪い?」


剣城くんに手を引かれて公園内にあるトイレへ連れて行かれる。

ここ女子トイレだよって、冗談なことを言う余裕もなく、洋式トイレの前でしゃがみ込む私に、剣城くんが優しく背中をさすってくれた。