「そうなのですね」
「定番の昔ながらの本もよいけれど、本にも流行があるからね。新しいものも積極的に取り寄せてるんだ」
レイ様との話の最中に目当ての本を見つけたリッキー様の姿が目に入りました。
視線は上の方に注がれていて、本を取ろうとして精一杯背伸びして手を伸ばしていますが、あと数センチというところで届かず。
「えいっ、えいっ」
今度は掛け声が聞こえてきました。
ピョンピョンと何度も飛び始めるリッキー様。本は指先に届くようになったのですが、取り出すには至らず。
一生懸命自分の力で本を取ろうとしている姿が微笑ましく、心の中で頑張ってと応援してしまいます。
レイ様も同じ気持ちだったのでしょうか。
二人で顔を見合わせて微笑みを交わしました。



