白々と夜が明けて、いよいよ朝日が昇り朝がやってきます。
私たちは座ったベンチから池を眺めました。
大きく丸みのある葉が青々と茂った中に、細長くのびた茎の上にはふっくらとしたまあるい蕾があちらこちらと顔をのぞかせています。
スッと伸びた茎は凛として、キャンドルの灯りような丸みを帯びた花は可憐でどこか神秘的。
蓮という名の水生植物だそう。
主に東方や西方で見られる花だとかで、これも桜同様ジュラン皇国から贈られたものだとレイ様が教えてくれました。
淡いピンク色をした花びらが少しずつ少しずつ開いてゆきます。
蕾が朝日に照らされて生気を浴びたかのようにゆっくりと膨らみ始め、やがて、花を咲かせました。



