婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「過分だなんて当たり前の事よ。今回の事件はこちらが責任を持って調査を行うわ。せめて事件が解決するまでは、王家でフローラちゃんを預かるわね。よいかしら? ブルーバーグ侯爵」

「はい。娘を守っていただけること、誠にありがたく存じます。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします」

 両親は臣下の礼をとるとローズ様は満足そうに微笑みました。

 両親の了解も取ってしまったのね。これで簡単に帰るとは言えなくなってしまったわ。二、三日内にはと思っていたのだけれど。今回の件が早く解決することを祈るしかありません。

「それでは、わたくしは帰るわ。日を改めてお見舞いにくるわね」

 ローズ様は席を立つと颯爽とドレスを翻して退出されました。分刻みのスケジュールの中、時間を捻出して会いに来て下さったのでしょう。